この日、1軒の古民家のカフェに入った・・・
カフェで、写真を撮らせていただいていたら、マスターに1枚のDVDを渡された。
マスターのお知り合いが作られたもので、その方はずっと銀山とその周辺を四季を通して撮影し続けているとのこと。
世界遺産に認定されて以来、たくさんの観光客が訪れるようになったけれど、間歩と大森地区の町並みだけを見て、石見銀山に行ってきたと帰っていく。
でも、地元の人はそれだけが石見銀山の歴史ではないことを知っているし、伝えたい・・・そんな思いでDVDを作成し、もしカフェに来る人の中で興味を持ちそうな人がいたら、渡して欲しいと預かっているのだそうだ。
旅行から帰宅し、拝見した。 正直、これは行く前に見たかったな~というのがまず思ったこと(笑)。
そして、作られた方は、歴史の小さな声を拾い集めるように、丹念に撮りためていかれたのだなと感じた。
あたりまえだけれど、歴史には光りと影の両面があるし、スポットが当たらないとても素朴な歴史もある。
様々な遺構や、人々の生きた痕跡は、とても地味でわかりにくい上に、銀山街道周辺などとても広範囲にちらばっているから、やはり旅行者がその全てを見て理解することなんて、到底無理。
だからこんな風に地元の方の思いの一端に触れさせていただけたことは、とても良かったと思う。
そして同時に、世界遺産登録されることの意味というものについても改めて考えるきっかけになった。
難しい問題だと思うけれど・・・