<< 南武線の街で 1 梅雨休み* >>
森は海の恋人
去年5月に三浦で撮影した写真です。
森は海の恋人_c0082066_22502955.jpg
森は海の恋人_c0082066_22505948.jpg
森は海の恋人_c0082066_22512151.jpg
森は海の恋人_c0082066_22513547.jpg

今、10年以上前に三陸の漁師の方が書いた「リアスの海辺から」という本を読んでいます。

著者の畠山重篤さんは、お父様も息子さんも漁をされる3代続く漁師の2代目の方で、幼少期から三陸気仙沼の海とともに生きてきたそうです。
前半、畠山さんが子どもの頃のこの辺りの海の様子が綴られているのですが、生き生きとした描写でその頃の海の豊かさが語られ、読んでいる私も子どものような気持ちになってわくわくするほどでした。
この海に育てられ、畠山さんは漁師の道に進みますが、昭和40年代50年代くらいに海の環境は著しく悪化します。

そんな時、畠山さんはフランスブルターニュ地方の視察がきっかけで、海に注ぐ川の上流の広葉樹の森の大切さに思い至ったそうです。
森の養分をいっぱい含んだ川が、海に流れ混み、植物プランクトンや海藻をはぐくみ、そこにたくさんの小動物が命をつないでいく・・・そして始まったのが「森は海の恋人」運動でした。
山の人と海の人が交流を持ち、お互いの仕事を知り、上流に広葉樹の植林を始めたのです。
読んでいて、数年前にとてもおいしい牡蠣をいただいた市場の食堂で、女将さんが仰った言葉がよみがえりました。
「この牡蠣は、山からの雪解け水が流れ込む海で育った牡蠣なのよ。」
そういうことだったのだな~・・・
リアスというのは、スペイン語で汐入川という意味だそうです。

長年、海とともに生きて来られた著者の言葉は力強く、説得力があります。
三陸の海のすばらしさ、その海と生きることの厳しさ、そして、何よりこの土地の方たちがこの海をとても大切に思っていることが伝わってくる1冊です。
by nobulinn | 2011-06-11 23:26 | 三浦 | Comments(2)
Commented by photo-nupuri at 2011-06-12 00:21
三浦半島の段丘の上の畑、ビニールトンネルには、
名高き三浦大根が植わっているのでしょうか、葉っぱからして。
兵庫県の明石では、海苔養殖を営む人たちと農家が話をして、
溜池の栄養分を含む泥を海に流そうという話になっていると、
耳にしたことがあります。
三陸で牡蠣養殖を営んでいる有名な漁師さんが、
全国各地のさまざまな仲間と海底の様子の調査をする様子を
テレビ報道で見ました。
海は力強いもので、きっと遠からぬうちに豊かさが回復すると、
話していました。海を信じる気持ちがあふれてくるようでしたよ。
Commented by nobulinn at 2011-06-12 23:32
photo-nupuriさん
こんばんは。
あっ、そうですね、ちょこっと覗いている葉っぱ、大根のようですね。
兵庫県明石でも、そんな試みがされているのですね。
この著者の方は、三陸でホタテの養殖が出来るように尽力され、その挑戦が最初の1歩から描かれているのですが、読んでいて、いろいろな思いが次々湧いてきました。
そうですね、海はきっと回復しますよね。
いろいろな報道を見ていて、大津波に襲われた方たちは、それでも海のことを信じているし、かけがえのないものだと思っているのだなって感じました。
名前
URL
削除用パスワード
<< 南武線の街で 1 梅雨休み* >>